目次
2023年7月15日のトレンド
期待せず
- 「異次元の少子化対策」とは、岸田首相が掲げる、少子化問題に対する政府の新たな取り組みのこと。
- 少子化問題は、経済の成長力や社会保障制度の安定性に影響を与える「静かなる有事」であり、2030年代に入ると歯止めが利かなくなる可能性が高い。
- そこで、政府は「こども・子育て政策の目指す社会像と基本理念」として、以下の3つを掲げている。
- 若い世代の所得を増やす
社会全体の構造・意識を変える
全ての子育て世帯を切れ目なく支援する - これらの基本理念に基づき、今後3年間を集中取組期間として「こども・子育て支援加速化プラン」に取り組む。
- その中で、具体的な施策として検討されているのは、以下のようなも。
- 児童手当の支給額拡大や支給年齢・所得制限の見直し
非正規労働者や自営業者などを対象とした子育て支援の新給付制度創設
学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充
育児休業や短時間勤務など働き方改革の推進 - これらの施策を実現するためには、数兆円単位の財源が必要。
- 政府は、消費税や各種保険料の引き上げなどを含めた財源確保策についても検討。
- また、少子化対策は成長戦略と一体で進めるべきであり、過去の施策の検証や費用対効果の分析も必要であるという指摘もあります。
- 政府の少子化対策に「期待していない」女性は7割近く
新500円硬貨
- 2021年11月から発行が始まった新しい500円硬貨は、外側と内側で色が異なる二重構造になっており、偽造防止のために高い技術が使われている。
- しかし、この新500円硬貨に対応していない自動販売機が多く、困惑する人が続出。
- 福岡市の天神周辺で50台の自動販売機を調べたところ、新500円硬貨が使えたのはわずか3台だけ。
- 大阪市内でも、タバコや飲料の自動販売機、コインランドリーや券売機などで新500円硬貨が使えない場合が多く見られた。
- 新500円硬貨を使えるようにするには「硬貨選別機」という部品を交換する必要がある。
- しかし、その部品には半導体が使われており、新型コロナウイルスの影響で世界的に不足しているため、入荷に時間がかかるという問題。
- また、事業者の中には、コストやキャッシュレス化の進展などを考えて、対応を見送っているところも。
- 2024年度には新紙幣も発行される予定であり、その時に合わせて対応するという考え。
内部告発もみ消し
- ビッグモーターは、事故車の修理を請け負った際、わざと車に傷をつけたり、不要な部品交換をしたりし、修理費を水増しして保険会社に請求していた疑い。
- この問題は、2021年秋に内部通報をきっかけに発覚した。
- ビッグモーターは、弁護士ら外部の専門家による特別調査委員会を立ち上げ、調査を行った。
- その結果、2021年7月5日にまとめられた報告書によると、以下のような事実が明らかになった。
- 2020年4月から2021年3月までの期間において、全国33の工場で行われた修理件数のうち、約4割強で不適切とみられる行為が見つかった。
- 不適切な行為には、損傷のないパネル部分にあえて板金塗装を施すことや、不要な部品交換をすることなどが含まれていた。
- 不適切な行為は、本社から工場に課されていた「アット」と呼ばれる営業ノルマの達成圧力や、工場長や作業員の評価制度などが原因で発生していた。
- 2020年秋には、現場での不適切な行為について社長らに内部告発があったものの、社長らは職場内の確執だとみなし、特に調査を指示しなかったことがあった。
- 損害保険ジャパンとの間には癒着疑惑もあった。
- 損害保険ジャパンから出向してきた人物がビッグモーターの役員や管理職として働いており、水増し請求につながった工場の営業ノルマを黙認していたことがあった。
- このように、ビッグモーターでは組織ぐるみで不正請求が行われていたことが判明。
資格確認書
- 政府は、2024年秋に現在の健康保険証を原則廃止し、マイナ保険証に切り替える方針。
- しかし、マイナンバーカードの取得は義務ではなく、カードを紛失した人や取得しない人もいる。
- そこで、政府は保険証の代わりになる「資格確認書」を新たに発行することを決めた。
- 「資格確認書」には、氏名、生年月日、被保険者番号などが記載。
- また、2024年秋以降も現行の保険証を1年間使える経過措置を設定した。
- 「資格確認書」も1年間使用可能で、期限が切れても更新ができる。
- このように、「資格確認書」はマイナ保険証への移行を円滑にするための制度。
- しかし、「資格確認書」の発行方法や手数料については、政府内で足並みが揃わず、混乱する場面があった。
- 最初は、マイナ保険証の導入促進を図るため、本人の申請なく発行する場合は有料化する案も浮上。
- しかし、自民党の議員からは「懲罰的」という批判が噴出。
- 加藤勝信厚生労働相も「保険料を払っている方が保険診療を受けられるのは当然の権利」と述べた。
- 最終的に、「資格確認書」の発行手数料は無料となった。
増税増税
- 政府税制調査会(政府税調)が6月30日に提出した中期答申に盛り込まれた「サラリーマン増税」の案。
- 政府税調は、首相の諮問機関で、約3年に1度、税制の現状と課題について答申をまとめる。
- 今回の答申では、経済社会の構造変化や財政状況などを踏まえて、所得税や法人税などの各種税制について見直しの方向性を示した。
- その中で、サラリーマンに関係する税制として、以下のような案が挙げられた。
- 配偶者控除や扶養控除などの所得控除を見直し、所得に応じて段階的に減額する仕組みを導入する。
- 生命保険控除や医療保険控除などの社会保障関連控除を見直し、所得に応じて段階的に減額する仕組みを導入する。
- 通勤手当や社宅の貸与などの給与所得者特別控除を見直し、非課税となっている部分に課税する仕組みを導入する。
- 退職金や年金受給者特別控除などの老後関連控除を見直し、所得に応じて段階的に減額する仕組みを導入する。
- これらの案は、サラリーマンの手取り収入を減らすことになる。
- 政府税調は、これらの案は「公平性や効率性」を高めるために必要だと主張していますが、専門家や一般市民からは、「消費や投資を抑制し、景気や成長を阻害する」「高齢者や低所得者への負担が重くなる」「コロナ禍で苦境にあるサラリーマンへの配慮が足りない」などの批判が出ている。
- 岸田文雄首相は、答申を受け取った際、「今後も議論を深めていきたい」と述べましたが、具体的な対応方針は示しませんでした。
博多祇園山笠
- 福岡市で行われた伝統の夏祭り「博多祇園山笠」の最終日に、参加者の男性が山笠にひかれて死亡した。
- 博多祇園山笠は、7月1日から15日までの間に、博多区の櫛田神社を中心に、7つの流(ながれ)がそれぞれの山笠(やま)を曳き回す祭り。
- 山笠は高さ約10メートル、重さ約1トンもある巨大な飾り山で、その下には舁(か)き手と呼ばれる人々がひしめき合っている。
- 15日早朝に行われる「追い山笠(おいやま)」は、各流が自分たちの山笠を一斉に走らせるクライマックス。
- しかし、今年の追い山笠では、博多区冷泉町の路上で、千代流の舁き手だった秋吉敏実さん(57)が山笠にひかれてしまいた。
- 秋吉さんは病院に搬送されましたが、約1時間半後に死亡が確認された。
- 警察は事故の原因や詳しい状況を調べている。
- 博多祇園山笠振興会は、これまで博多祇園山笠の参加者で山笠にひかれて死者が出たケースはなかった。
- 同振興会は「とても残念だ。今後こうした事故がないように対策をとっていきたい」とコメントしている。
智弁和歌山
- 高校野球の強豪校である智弁和歌山が、和歌山大会の初戦で高野山に敗れた。
- 智弁和歌山は、夏の甲子園で4度の優勝を誇り、和歌山大会では5連覇中(2020年独自大会を含めれば6連覇)でした。
- しかし、15日に行われた2回戦で、初回に先制したものの、7回に逆転されて2-4で敗れた。
- 同校の夏の県大会初戦敗退は、2001年以来22年ぶりのこと。
- この敗退により、智弁和歌山の吹奏楽部が奏でる人気応援曲「ジョックロック」が甲子園で聞けなくなる可能性が高まった。
- 「ジョックロック」とは、アメリカのスポーツイベントでよく流れる曲をメドレーにしたもので、智弁和歌山が2000年夏の甲子園で初めて使用した。
- その後、同校が甲子園で快進撃を続ける中で、「ジョックロック」は「魔曲」として知られるようになった。
- 特に2000年夏の準々決勝・柳川戦では、8回裏に2-6から5点を奪って逆転勝ちした際に、「ジョックロック」が流れたことが印象的でした。
- ネット上では、「智弁敗退は衝撃です。。。ジョックロックが聞けないなんて…」「甲子園でジョックロック聴けんやん」「ジョックロックが聴けない夏…」「今年の夏は聴けないのか…」などと惜しむ声が多く見られた。
旭川ダム
- 秋田市にある旭川ダムが大雨の影響で満水に達し、緊急放流を始めた。
- 旭川ダムは、秋田市の中心部を流れる旭川の上流にあるダムで、洪水調節や利水などの目的で建設された。
- 15日は、台風8号の影響で秋田県内に大雨が降り続き、旭川ダムの貯水位は午後5時時点で109.5メートルに達しった。
- これは、緊急放流(異常洪水時防災操作)判断水位と呼ばれる水位で、ダムに流れ込む水をそのまま下流に流すことになる。
- 秋田県は、午後5時22分に緊急放流を開始すると発表した。
- 緊急放流は、午後6時ごろから実施された。
- 緊急放流により、下流の旭川の水量が増えて氾濫する恐れがある。
- 秋田市は、旭川が氾濫する可能性が高いとして、流域の住民に対して身の安全の確保を最優先に行動するよう呼びかけている。
核汚染水
- 日本政府が福島第一原発の処理水を海洋放出すると決定したことに対し、中国政府が強く反発している。
- 処理水とは、福島第一原発の原子炉や使用済み核燃料プールの冷却などで発生した汚染水を、多核種除去設備(ALPS)で除染したもの。
- 処理水には、トリチウムなどの放射性物質が残っているが、日本政府は「環境や人体への影響は考えられない」として、2年後をめどに海洋放出することを4月13日に発表した。
- 国際原子力機関(IAEA)も、処理水の海洋放出は「国際的な安全基準に合致している」と評価した。
- しかし、中国政府は「処理水」を「核汚染水」と表現し、「原発事故で発生した汚染水を海に放出するのは前例がない」と批判した。
- 中国の専門家やメディアも、日本政府や東京電力の情報公開が不十分であることや、近隣諸国や国際社会と十分な協議もなく一方的に処分を決定したことなどを問題視している。
- 日中関係は今年に入り、一時的に改善の兆しを見せていましたが、処理水問題で再び悪化する可能性がある。
- 日本政府は、夏頃の放出後、秋以降に中国との「建設的かつ安定的な関係」の構築に向けて努力したい考え。
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